ハロウィン企画3。



ハロウィン企画小説です。
時間軸は本編の三カ月後ですが本編≠ハロウィン企画小説に為っています。
今後の本編のネタバレが多々あります。
なんでそうなってんの?っと疑問に思われる事があるかもしれません;疑問に感じた事は後々本編にて解決する予定です;
本編からすると違和感がある人が数名いる気がします。




     苦手な方は逃げましょう(TOPへ)。       大丈夫だと言う方はスクロール又はここをクリック。
















































☆彰華

「Trick or treat!」
「……なんだ。いきなり」
「彰華君、今日が何の日かしらないの? 十月三十一日だよ!」
「だから、そんな格好しているのか」
「そうだよ。今回は吸血鬼! 中世を意識した黒と赤のロングドレスにこの八重歯がいい感じでしょ」
「中々いい出来だな」
「ありがとう! 頑張って作った甲斐があるよ。で、お菓子くれないと悪戯するけど、持っている?」
「突然だったからな。用意はしていない。悪戯とは何をする気でいるんだ?」
「ふふふ。今回はね、ちゃーんと考えているのよ。この五枚のカードの中から一枚引いてその悪戯をしようと思ってね」
「カードには何が書かれているんだ?」
「教えないよ。お菓子持ってたら見せるけど、それ以外は引いてからのお楽しみ」
「どうせ、くだらない事を考えているんだろ」
「どうでしょー。さぁ、持ってないなら引いてもらおうかな!」
「ところで何で五枚なんだ?」
「一人ぐらいお菓子用意してくれてると思ってね」
「そうか。では、俺はこれをやろう」
「飴玉……。お菓子用意していたの?」
「ハロウィンの為に用意していたわけじゃない。飴玉は常備している」
「彰華君って甘党だったの?」
「違う。藤森家に居る式神を黙らせる時に使うんだ。君も持ち歩いていると便利だぞ」
「ちぇ。今回は誰にも言わずにやるから、悪戯に力を入れたのに初めから失敗か」
「それで、カードを見せてくれるんだったな」
「しょうがない。いいよ。あ、でも他の人には言っちゃだめだよ」
「…………はぁ。この程度しか思いつかないのか」
「む。この程度とは失礼な。結構楽しそうでしょ?」
「いいや。小学生でも、いや幼稚園児の様な悪戯だな」
「酷いな。じゃあ、彰華君はもっと愉快な悪戯が思いつくって言うのね!」
「あぁ。君よりは断然面白いのが出来る。ちょっと待っていろ。俺が作りなおして遣ろう」




☆真司

「Trick or treat!」
「………………あぁ。今日はハロウィンだったか」
「反応が遅いよ」
「そりゃ、いきなりそんな衣装で来られたら、驚きもするよ」
「この衣装可愛く出来てるでしょ?」
「そう言うの、凝るの好きだよね」
「うん。楽しいよ。で、真司はお菓子持ってる?」
「持っているわけないじゃん。こういうのやるなら前以て教えてくれなきゃ。つきあえないよ」
「ふふふ。じゃーん。では、この五枚のカードから一枚好きなのを選んでもらおうかな!」
「なにそれ」
「恐怖の悪戯カード。お菓子持ってないから、強制的に引いて出たものをやります。さぁ!」
「……はぁ。よくこういう事に頭が回るよね。僕も暇じゃないんだけど、はい。これでいい?」
「うん。じゃあ。このカードに書かれている事をやるからね。えっと………。(『突然、後ろから抱きついて耳を噛む(吸血鬼風に)』!!?)な、な。なんて事を書いてるんだ! 無し。これは無しだ!」
「はぁ? 自分でやる気満々だったじゃんか。なんて書いてあるのさ」
「あ、ちょ」
「へー。これ、誰が考えたの? 麗華なわけはないよね」
「彰華君だよ。これの、何処がいい悪戯なの!? 彰華君何考えてんの!?」
「麗華。強制的に引かせたものは、やるよね? 当然有言実行だろ」
「い、いや。でも。噛むとか、ね? それに、悪戯の内容知っているのに、やるってなんかね……」
「なんだ。出来ないんだ。出来ないのに衣装やカードとか用意してハロウィンだーって浮かれて、阿呆だね」
「酷いな!」
「仕方がないから、僕が代わりにやってあげるよ」
「え。それって、ちがうんじゃ――ぁ!! んっん!! って! ちょ!! 後ろからじゃないし! 噛むって言うより、し、舌ぁ!」
「あ。ごめん。間違えた。吸血鬼風って言うのをやってなかった」
「や、やりなおそうとしなくていいから!」



☆ 優斗

「Trick or treat」
「優斗君、それは死神の衣装? すごい! かっこよく出来てるね!」
「有難う。麗華さんならハロウィンやるかなって思って、用意していたんだ」
「一人じゃないと思うと嬉しいね! あとで、写真撮ろうね!」
「はい、お菓子あげるよ。それで、麗華さんはお菓子持ってるかな?」
「あ……。私言う側だけだと思っていたから、お菓子を持ってないや」
「そっか。じゃあ、なにをしようかな」
「優斗君、楽しそうだね。もう、腹はくくったわ。生卵をぶつけるなり、顔に落書きするなり好きにするがいい!」
「……潔いね。ねぇ、彰華が言っていたんだけど、お菓子持っていない人に悪戯カード引かせようとしていたんだって?」
「うん。でも、彰華君が考えたのは変だったから、捨てたよ」
「じゃあ、最初に麗華さんが考えたのは、持っているの?」
「うん。これ」
「それじゃあ、麗華さん、このカードから選んでもらうかな」
「いいよ。これにする。んっと。『ひざかっくんをする』だね」
「これは、俺が膝かっくんするって事でいいんだよね?」
「そうだね。さぁ、どうぞ」
「いくよ」
「うん。わぁ。ひゃぁ! 優斗君ッなんで、抱き着いているわけ!?」
「麗華さんが転んだら悪いと思って」
「普通、ひざかっくんで転ばないと思うよ!」
「そう?」
「そうだよ!」



☆真琴
「Trick or treat」
「あら、Happy Halloween」
「真琴さん、お菓子持っていますか?」
「えぇ。麗華さんならやるかと思って、ハイ、どうぞ」
「かぼちゃプリンだ! 美味しそう。有難う御座います!」
「私が作ったのよ」
「さすが真琴さん。お料理も得意ですものね」
「ありがとう。麗華さんの格好可愛いわね。吸血鬼? 八重歯が可愛らしいわね」
「そうなんですよ、八重歯がポイントなんですよ。真琴さんも仮装しませんか?」
「いいわね。それなら、私も吸血鬼がいいわ」
「お揃いですね!」
「麗華さん、吸血鬼ってどうやって仲間を増やすか知っている?」
「え? 吸血鬼って言ったら、やっぱりオリジナルの吸血鬼の血を分け与えてとか、血を飲ませ合うってよく漫画や小説の設定でありますよね」
「えぇ。そうよね」
「え、なんですか。その笑顔……。あっ! ちょ! ま、真琴さんっ!」
「いただきます」
「つっー! か、か噛みましたね!」
「吸血鬼になるためですもの。麗華さんも噛んでもいいわよ?」
「むっ! (余裕の笑顔がムカつく!) 真琴さんかがんで!」
「どうぞ?」
「いただきます! (真琴さんの肩を思いっきり噛みついてやる!)」
「痛ッ! ほ、本当に、本気で噛んだな」
「ええ、本気でいただきました!」
「痛いが、嬉しいな。お揃いの歯型ってエロイだろ?」
「なっ!」


☆大輝

「Trick or treat」
「お前、好きだよな」
「うん。大輝くん、お菓子持っている?」
「持ってねぇよ」
「じゃあ、このカードから好きなのを選んで、私が! いたずらするから」
「しょうがない、付き合ってやるか。これで」
「なになに、大輝君にする悪戯は〜。『吃驚、ジュース!』ここにある二つのトマトジュース。一つは激辛トマトジュース、もう一個は普通のトマトジュース。究極の選択どちらか好きな方を選んで飲んでもらうよ」
「俺、トマトジュース嫌いなんだよな」
「大輝君。私のこの姿を見てどう思う?」
「吸血鬼?」
「そう。だからトマトジュースなんだよ。赤い物の方がリアルでしょ」
「吸血鬼って言うのなら、血でやれよ。激辛の血と、普通の血でいいじゃん」
「わかった。大輝君、腕出して」
「はぁ? なんで俺の手なんだよ、ってなんで小刀を持ってるんだよ!?」
「吸血鬼七つ道具。血がいいんでしょ? 大輝君が自分で言ったんじゃない」
「普通、麗華の血だろ!?」
「嫌だよ。私吸血鬼だもの。人から血を取って生きるのよ? あげたりなんてしません。さぁ、血をよこしなさい!」
「わぁ、小刀振り回すなよ!? トマトジュースで、いい! トマトでいいから!」
「よろしい。どっちにする?(どっちも激辛ジュースなんだけどね)」
「こっち。俺が我慢して、飲むんだから麗華もそっち飲めよ」
「え? これは、大輝君がお菓子を持っていなかった事が原因で起きている悪戯なのだから、私がやんなくても」
「どっちも、激辛なんだろ?」
「ま、まさか!」
「じゃあ、いいだろ。ほら、せぇの」
「くッ、(辛い!)」
「辛い?」
「た、たぃひくん、飲んでなひでひょ!(辛くて口がまわらない!)」
「そんな、あからさまなのを、飲むわけないじゃん! 引っかかってやんの」
「ひどいぃ!」
「麗華、悪戯って言うのはこうやるんだよ」



☆蓮
「……Trick or treat」
「どうした? なんか、元気がないな」
「いえ、なんか、もう、疲れた……」
「ほら、菓子をやるから、元気を出せ」
「蓮さん……」
「またやると思って、用意していたんだ」
「かぼちゃのクッキー詰め合わせ。可愛い……」
「吸血鬼なのにボロボロだな」
「もう、なんか、色々逆襲にあった気分なんです」
「こっちへ。茶を淹れよう」
「あぁ、蓮さん。蓮さんが一番、優しいと思います!」
「……そうか?」
「ええ、もう、本当」
「ほら」
「あぁ、美味しい」
「クッキーも食べるか?」
「はい、あぁかぼちゃクッキーが紅茶とよく合います」
「良かった」
「蓮さんも、クッキー、食べますか?」
「いただこう」
「!? (なぜ私の手を握ってそのまま口に運ぶの!?)」
「うまいな、有難う」
「!?(ぎゃぁ、口元を舌でなめる姿が、なまめかしい! 何か恥ずかしい!)





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2015.10.31

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